小学生の娘が「切り絵」で作ったメッセージがクリエイティブでかわいい!

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【ズミ宮古島!食・工芸・島めぐりの旅④】 島のガイドさんと巡る『大神島』日帰りショートトリップ

宮古島(みやこじま)の北約4キロの海上に浮かぶ、周囲約3キロの小さな島『大神島(おおがみじま)』。多くの島が橋で結ばれた宮古列島の中でも今となっては珍しい、船で渡る島です。宮古島の島尻(しまじり)港から1日わずか5往復の定期船で約15分ほどで到着します。

大神島はその名の通り、島じゅうにたくさんの聖域があり、地元宮古島市の中でも“自然の神様がいる島”として崇め大切にされています。島ならではの伝統やルールもたくさんありますから、初めて島を訪れる際は、島のガイドさんによるツアーがおすすめです。

港からすぐ、島の入り口にあるこの琉球石灰岩の石。ブロック塀で大事に囲まれた様子からも、島の人の拝み(祈りを捧げる)の場所であることが容易に想像されます。かつて、岡本太郎(芸術家/1911-1996)が“何もないことへの眩暈(めまい)”と表現した沖縄の聖地のありよう。本土のように神社のような建物があるわけでもなく、ふとすると見過ごしてしまいそうなほどに自然の石が置いてあるだけだったり。御嶽(うたき)と称される聖域のほとんどがこのスタイルです。

大神島の人口はわずか30人足らず。島は高齢化が進み、お正月や旧盆に島外で暮らす人々が帰省しにぎやかになる以外は、ほとんどが静かな日常の島です。ガイドさんに案内してもらいながら、集落を歩きます。

半農半漁の島。民家の入り口には、火難除けや魔除けのスイジガイ(水字貝)が吊るされています。

集落を抜け島の中腹あたりに来ると大きな井戸に遭遇。海に囲まれた島での貴重な水源であり、信仰の対象となる神聖な場所でもあります。

そして、井戸のさらにその先には“トゥンパラ(遠見台)”へと続く坂道が待ち受けています。大神島では、『ウヤガン(祖神祭)』という秘祭が毎年行われますが、その期間は島民であろうとも、祭祀を司るもの以外はこの遠見台へ足を踏み入れることは許されません。集落以外の場所ほとんどが聖域のようなこの島では、普段でも島の人が決して入っていかない御嶽も数多く点在するのです。

遠見台までの道は、現在はウッドデッキできれいに整備されていますが、昔は岩や石がむき出しの険しいものだったことでしょう。今も変わることないのは、この鬱蒼と生い茂る亜熱帯の深い緑の木々のトンネルかもしれません。先ほどまでの強烈な太陽の日差しの集落とは対照的な空間です。

標高70メートル、遠見台の頂上からは360度の大パノラマが眼前に広がります。雲を映す天の鏡のようなどこまでも青い海。強烈な日差しやビビッドな色彩とは裏腹に、余計な音のない静けさが、逆に怖いくらいです。音の溢れる世界で暮らしている者にとって、大神島は、あまりにも静謐で、耳が余計な疲弊を強いられない分、目も澄んでくるのか、普段目に見えないものまでなんとなく感じられそうな不思議な感覚になります。

遠見台からはもちろん、宮古島や池間島も望めます。対岸にある狩俣(かりまた)集落の祭祀では、祭の進行を逐一、浜から大神島へ向かって伝える役の人もいたといいます。そのくらいこの大神島は宮古の人々にとっても大切な意味を持つ島なのでしょう。

遠見台を降りて、人影もほとんどない真昼間の集落を歩いていると、本島などではもうなかなか見ることができなくなった沖縄の暮らしの原風景にふれることができます。

島の斜面を這うように耕された小さな畑には、島の人が食べるだけの芋や豆。

少し昔に、島の護岸の一周道路が計画されましたが、その工事も途中で“島の神様の思し召し”により中断されたことがあるそうです。人間の叡智とはまた別の世界の真理と常に寄り添いながら生きている島。一旦、造られた後、真ん中を切り取られたこのコンクリート。この真ん中の道は、海の彼方から島への神様の通り道なのだそうです。

1時間ほどかけて集落から遠見台を巡ったら、一旦、島唯一の『おぷゆう食堂』で休憩です。

大神島名物の“カーキダコ丼”は、タコの燻製と玉ねぎを炒めた素朴ながらもここでしか食べられない味です。

食堂の一角には島の人のための日用品の販売スペースがあり、その隣り合わせの本棚に何気なく並べられている島の写真集を見つけました。カメラマンが、1972年とその18年後の1990年の2回に渡り、島に暮らす家族の肖像を撮ったものです。たまたま私はこの食堂で、日用品を買いに来た“27年後の写真の女性”に遭遇することができました。80を越えて今は、一人暮らし。戦争の頃は本土の紡績工場に働きに出た話、女学校へ通うため宮古島の親戚の家に暮らした時、“窓からは海が見えなくて、家にふたされてるみたいだったさー”と大神島を恋しく思ったこと、などなど。他所から来た私たちに丁寧に一生懸命に共通語で話してくれました。途中、島の人との会話になると、さっと流暢な大神島の方言に切り替わるのには全く感服させられました。

さて後半は、カートに乗って島の反対側まで海沿いの道を巡ります。ゴルフ場から払い下げのこのカート、お年寄りを乗せて坂の上の家まで送ったりと大活躍なのだそうです。

海沿いを走っているとキノコや木の格好をした奇妙な岩“ノッチ(奇石)”を見かけます。島の隆起により地表から海に転がり落ちた岩が、長い時間をかけて波の浸食で根元が削られ今のような形になったとか。1、2年のうちには倒れてしまいそうなノッチも・・・。

高齢化・過疎化が進み、島の秘祭を司る女性も激減するなど直面する問題を抱えつつも、淡々と受け継がれてきた伝統を守り、日々を営む、神様の棲む島の姿。わずか数時間の短い滞在ですが、そこに身を置くだけで、見せていただける島の素顔に感謝です。

私たちを乗せた宮古島と大神島を結ぶ船の名前は『スマヌかりゆす』。島の方言で“島のかりゆし”=島の果報。スピリチュアルやパワースポットといった言葉だけで形容するにはあまりに尊い、島の果報をおすそ分けいただいような気持ちになりました。

大神島観光ガイド(約90分)一人2,000円*要予約。3名以上で割引あり
問合せ先/大神島観光協会
電話/0980-72-5350
受付時間/9:00~18:00
Webサイト/http://o-gamijima.com/index.php

※料金は2018年3月時点です。

沖縄CLIPフォトライター 鶴田尚子 

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